2010年11月14日

奥様のパート収入と税金

「知らなかったから・・・」、「面倒だったから・・・」というだけで、
案外大きなチャンスを捨てている場合があります。
今回は、奥さまの収入と税金との関係についての話です。

昨今のように景気低迷が続くと、専業主婦だった奥さまが
仕事を始めるということも多くなるのではないでしょうか。
ただ、パート社員の方が「これ以上働くと税金を払うことになるので、
勤務時間を減らしてください」というようなことを言っているのを
聞いたことはありませんか?
確かに収入が増えると税金を納めるようになりますが、
一体、収入がいくらになると税金がかかるのでしょうか?

今回はよく言われる「奥さまのパート収入が103万円を超えると、ご主人が配偶者控除を受けられなくなるため、税金が高くなり損をしてしまうのでは?」という疑問にお答えいたします。

例えば奥さまの収入が103万円以上になることで世帯全体の“手取り”(ご主人の“手取り”+“奥さまの手取り”)が減ってしまうのであれば、もちろん奥さまの収入は103万円以内に抑えたほうが良いですよね。

では、まず、パート収入と税金の関係がどのようになっているのかをご説明しましょう。

◆パート収入と税金の関係

税額を計算する際には、収入(1年間で得た給料)から各種控除を差し引き、課税所得(課税の対象になる金額)を求めます。

収入がある全ての人には『基礎控除(38万円)』が適用されます。
パート収入のような給与所得者には、それにプラスして『給与所得控除(最低65万円)』が受けられます。
※『基礎控除(38万円)』+『給与所得控除(最低65万円)』=103万円

つまり、収入103万円以下の方は、課税所得はなかったこととなり、所得税はかからないことになります。
※住民税は別途計算(所在地等により異なります)

一方、ご主人の税額はどうなるのかというと、

◆ご主人の税額

課税所得のない奥さま(年収103万円以下)がいらっしゃる場合には『配偶者控除(38万円)』を受けることが出来ます。そして、課税所得のある奥さま(年収103万円超)がいらっしゃる場合には、控除ゼロとなってしまうのは酷なので、所得の額(103万円超〜141万円未満)に応じて『配偶者特別控除(最高38万円〜最低3万円)』を受けることが出来ます。

つまり、パート収入が103万円を超えると奥さまは課税され、ご主人の控除額が減る(税額が上がる)ということです。

(例1)
ご主人の年収が600万円、奥さまの年収が「100万円」で、8歳のお子様がいらっしゃるとします。

この場合、ご主人は配偶者控除が適用となり、さらに奥さまの税金は掛からないので世帯全体の手取りは純粋に100万円増加します。

(例2)
ご主人の年収が600万円、奥さまの年収が「120万円」で 8歳のお子様がいらっしゃるとします。

この場合、ご主人は配偶者控除を受けられなくなりますが、その代わりに配偶者特別控除21万円を受けることができます。


例(1)と例(2)で世帯の手取り総収入がどのように異なるのかを計算してみましょう。
あくまで概算ですが、

まず、配偶者控除38万円を受けた例(1)場合(奥さまの収入が100万円の場合)、ご主人の税額は38.8万円となります。
一方、配偶者特別控除21万円を受けた例(2)の場合ご主人の税額は42.2万円となり、
ご主人の税額は42.2万円-38.8万円=3.4万円高くなります。
さらに奥さまの税金等が3.05万円かかるので、世帯としての税金増額分は3.4万円+3.05万円=6.45万円となります。
例(1)に比べて例(2)は奥さまの収入が20万円増加し、税金は6.45万円高くなります。
結果として20万円-6.45万円=13.55万円の世帯の手取り総収入が増加したことになります。

つまり奥さまの収入がたとえ103万円を超えたとしても、ご主人の税額増加分を加味した世帯総手取り収入がマイナスになる訳ではなく、必ず増えることとなります。

ですから、奥さまが働く場合、効率の違いはあるものの、103万円という金額にあまりこだわる必要はないのではと思います。
※但し、ご主人の会社の福利厚生制度によっては、扶養手当等の各種手当てが受けられなくなる場合があります。
ラベル:税金
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2010年10月06日

祖父母から教育費を援助してもらったら、贈与税ってかかるの??

このように、子供の教育は何とか思い通りにしてあげたくても、教育費の負担は想像以上に大きいものです。今までのように右肩上がりで収入が増えるわけではありませんし、住宅や車のローンも残っている現在、まだまだ将来への不安も払拭できません。

そんなとき、祖父や祖母が「かわいい孫のためだもの、少しなら援助できるよ。」ということで、入学金や授業料分を現金で援助してくれたとしましょう。こんな嬉しいことはありません! しかし、これって贈与にならないのでしょうか? 贈与税の対象になってしまうのではないでしょうか?

国税庁のホームページのタックスアンサーには、以下のように記載されています。



■贈与税がかからない場合

<(1)〜(9)まで掲載されていますが、ここでは教育費に関係する(2)だけをピックアップします>
贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則としていますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて、次に掲げる財産については贈与税が課税されないことになっています。

(2)夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育 費とは、学費や教材費、文具費などに充てるための費用をいいます。

なお、非課税となる生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されることになります。



ということは、祖父母に教育費を援助してもらっても、贈与税の課税対象にはならないようですね。但し、そのためにはいくつかの注意点があります。

■注意点@

扶養義務者の間で教育費を負担する場合は贈与税がかからないということですが、誰が子供の扶養義務者なのでしょうか。一般的には両親ということになりますが、両親が十分に教育費を負担できない場合は、祖父母が孫の扶養義務者と考えて差し支えないといわれています。まずは、両親が十分に教育費を負担できるのかどうかにご注意ください。

■注意点A

もうひとつ注意したいのは、援助するタイミングです。タックスアンサーにも書かれているように、支払いが必要な度にその範囲内の額で援助すれば問題はないでしょう。援助した金額を他のことに使用したのでは贈与税の対象となってしまうのは当然です。
では教育費として、例えば「授業料を4年間分まとめて400万円渡しました」というのはどうでしょう。この場合も贈与税の対象となってしまいますので、ご注意ください。

あくまでも、必要なときに必要な額だけ、その都度援助することがポイントとなります。
詳しくは、専門家である会計事務所や、近くの税務署にご相談ください。
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2010年10月04日

所得税:『平成22年度税制改正大綱』の先に見えてくるものとは?

平成21年12月22日に、政府は「平成22年度税制改正大綱」を取りまとめました。今後の国会審議等で変更となる可能性はありますが、来年度の税制の大きなガイドです。

以下のURLからPDFでダウンロードできますので、詳細はご一読ください。

【平成22年度税制改正大綱】
http://www.kantei.go.jp/jp/kakugikettei/2009/1222zeiseitaikou.pdf


国民の多くにとって、今回の「子ども手当て」や、「年少扶養控除の廃止、特定扶養控除上乗せ分の廃止」、「配偶者控除の来年度以降見直しの方向」など、所得税課税の動向が気になるところではないでしょうか。そこで、今後の方向性について、今回の税制改正大綱から見えてくる部分を解説いたしました。


■個人所得課税、改革の方向性とは?

上記平成22年度税制改正大綱のPDFの13ページから個人所得課税の項目が記載されています。その中で、注目すべき項目が、「所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ転換を進めます。」という文章です。
今までの所得税では「所得控除」が基本でした。「配偶者控除」、「扶養控除」、「医療費控除」等、すべて「所得控除」です。ということは、課税所得に税率を乗じる前に「所得控除」するため、当然税率の高い人、つまり収入の高い人ほどその効果は高くなります。


たとえば、扶養控除一人38万円が増えた場合、最高税率の人であれば約19万円の減税効果になります。しかしながら、極端ですが控除が所得を上回っていて税金がかからない人であれば、さらに控除が増えたとしても何も変わらない、つまり効果はゼロです。


このように、所得控除が相対的に高所得者に有利なことを是正するために、「所得控除から税額控除・給付付き税額控除・手当へ転換を進めます。」と改革するわけです。


■給与付、税額控除とは?

税額控除や手当ては今までも聞いたことがありますが、「給付金付き税額控除」というのは聞き慣れない言葉です。どんなことなのでしょう?
今までの所得控除では、低所得者は最低でも税金がゼロになるまででした。給付金付き税額控除になると、税金がかからないだけでなく、さらに給付金がもらえるという構造をつくることができます。アメリカ、イギリス、カナダ、オランダなどでも取り入れている方法です。

たとえば、仮に子ども一人当たり10万円の税額控除があったとしましょう。税金を100万円払っている人は、税額控除ですから 「100万円−10万円=90万円」となり、10万円税金が少なくなります。
では、税金を2万円払っている人はどうでしょう。単なる税額控除では税金がかからなくなるだけですが、給付金付き税額控除なら、「2万円−10万円=△8万円」として、税金がゼロで更に8万円の給付をするということになります。所得の少ない層に対して有利に働く税制です。



但し、「給付付き税額控除」の導入をする場合には、2つの前提があります。現金給付をする前段階として社会保険料などの納付分を相殺するための「社会保険と税の共通番号=納税者番号制度」の導入と、それを「管理する主体=歳入庁(国税庁と日本年金機構の統合)の設立」であり、税制改正大綱にも、その方針が明記されています。


■その他所得税改正

今回は見送られましたが、税制改正大綱の中に 「・・・、所得再分配機能の回復等の観点からの、給与所得控除の見直しや、税率構造などの所得税改革にも取り組むこととします。給与所得控除には上限がありませんが、給与所得者の必要経費が収入の増加に応じて必ずしも増加するとは考えにくく、高所得者により有利な制度となっています・・・」 との記述があります(PDFの15P)
つまり、どんなに給与が高くても「5%」は課税所得から控除している現在の「給与所得控除」について、「上限規制をする」ということです。

このように、所得税にかかわる新しい考え方は、「高い所得層」への課税強化により、「所得の再配分」を重視している考え方と言えるのではないでしょうか。実際、今回の税制改正大綱の中でも「所得の再配分」という言葉が、随所に使われています。


※ 以上の記述は、平成21年12月22日発表の「平成22年度税制改正大綱」を基に作成していますので、今後の国会審議等により内容が変更になる場合があります。また、特に所得税課税の方向性について取り上げたものですので、その他の税制改正についても、税制改正大綱を参照ください。
ラベル:所得税
posted by 賢く生きるための案内人 at 11:00| Comment(0) | 所得税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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